ゼノブレイドの事について言える事といえば、Wii持っててRPG好きならば即買い推奨だということだ。RPG好きでこのゲームをやれないのは不幸だと思う。心底そう思う。
書き出すと止まらないので、3点に絞って軽く魅力を解説してみよう。作品に魅力を感じなかったら、それはこの文章のせいなので、他のレビューも参考にされた方がいいだろう。
場所発見のワクワク感
現実の世界でも、あの建物の向こうには何があるのだろう、あの路地の先には何があるのだろう、と好奇心に誘われることがあると思う。こと、ゲームの世界ではそれが強くなると思う。何せ、高いところから飛び降りても死にはしないし、湖に入っても別に濡れたりしない。好奇心の向くままに移動出来る。あそこには何があるのだろうか。見てみたくなったら、とりあえず行ってみる。それが気軽に出来るのはゲームならではだ。
もっとも、ゲームの容量の都合だったり、いったけど単なる壁紙なのでその場所には行けないとか、ゲームはゲームで色々制限があったりする。湖にポツンと浮く島や、崖の下に見える古い建物とか、好奇心がそそられるような場所はたくさんあるのに、そこに辿り着けない。これではガッカリだ。
さて、前置きが長くなったが、ようするにゼノブレイドでは、このような好奇心を大抵の場所で満たすことが出来るのである。目の前に見える建物や風景は、単なる飾りの、近寄れない場所ではなく、大抵行ける場所なのだ。流石に建物の場所には入れないが、意外な方法で上に乗って移動出来たりする。高い場所から落ちてみたり、ジャンプして冊を飛び越えて見たり、ある意味やりたい放題なのだ。当然、湖も泳げるので、何やらポツンとある小島にも行ったり出来る。
また、高い場所から街を眺めたりするのもまた面白い。目の前に広がる小さな街も、実際に行ってみれば大きく感じる。これは、街に入ったらロードが始まって画面が切り替わる、ということをしているのではなく、そのまま街もフィールドもそのままシームレスにつながっているから、そう自然に感じられるのだ(MMORPGではすっかりお馴染みではある)。逆にいえば、ここから小さく見えるあの場所も、実は行ける場所なのかもしれない。好奇心・冒険心が非常にくすぐられること間違いない。街の探索だけで、平気に2時間ぐらい飽きずに費やしてしまった。ちなみに固定ポイント毎に瞬時に移動可能なので、MMORPGのように戦闘よりも走っているほうが長い、なんてことはないのでご安心を。ただ、あまりにも高い場所から落ちると流石に死ぬし、隠れた場所にはハイレベルの敵も多いので注意である。近場だけですごい冒険になるのだ。
共闘スタイルの戦闘
ゼノブレイドの戦闘では、完全にコントロール可能なのは、基本的にパーティーリーダだけである。仲間はそれぞれ独自に行動する。指示も大まかなものだけで、スキル指定などは出来ない。そのため、リーダとしてどう戦闘を組み立てるべきなのか考えなければいけない。
判断材料はいろいろある。敵を攻撃するときの位置決めや、敵のステータス、自分のスキル(アーツ)の使用状況、仲間の状況。仲間と連携するにはどうするか、画面を見ながら決めて行く。仲間がコントロール不能なので、戦術を組み立てる必要があるのだ。
これがまた面白い。戦闘がすごいシビアになってくるからだ。自分がすべてをコントロール可能である場合、戦闘の連携をとることなど容易いことだが、コントロール出来ないので連携をとるにしても、敵の状態、仲間の状態を常に意識しないといけない。
ポイントとなるのは、仲間とのキズナだ。戦闘中、声を掛け合い、励ましあいながら敵と相対して行く。戦闘の王道ではなかろうか。そのため、各キャラはよく喋る。正直最初は鬱陶しく感じたのも事実である。が、慣れてくるとこれが中々のツボとなる。励ましたり、慰めたりと、仲間と声を掛け合うのは、それにあった状況でやらないと効果がない。そのため、ここぞ!というポイントが示されたらそれをコマンド入力(とは言ってもBボタンを押すだけ)を押すと状況に適してた声がかけられるのだ。それで戦闘を優位に進めるのである。連携が決まった時はもう快感だ。
戦闘自体は、回復アイテムがないのでかなりシビアだ。ただし、戦闘が終われば自動回復するので問題はない。このあたりのゲームバランスが実に絶妙なのである。出来れば、この戦闘方法はさらに進化したものを別の作品で見てみたい。
何を着せるべきか、それが問題だ
ゼノブレイドでは、装備品を変えると、それに見合ったキャラ表示になる。まあ、これもMMORPGではお馴染みのことだ。しかし、イベントシーンでも、そのまま装備が反映されているものはそうはないだろう。ゼノブレイドでは、いわゆるムービシーンも、きちんとその時点の装備品が反映されるのだ。
ここで問題がある。究極の選択だ。能力的には抜群なんだけどダサイ格好と、逆に能力的にはイマイチ(もしくは陳腐化)なんだけどカッコいい格好。フィールド・戦闘だけでなく、イベントシーンでもそれがそのまま反映されてしまうとなると、これはかなり悩む。特に女性キャラの格好が一番悩む。セクシーで行くか、実用的なもの(もちろん戦闘という点で)で行くか。
悩ましい。でも、これもまた一つの楽しみ方だ。装備品が単なるデータではないのだから。
ゼノブレイドでは、キャラクターにしろ、その世界にしろ、作り手のこだわりが随所に感じられることが多い。確かにWiiという機体ではグラフィックで他機種に劣るのは事実である。しかし、それを吹き飛ばす形で飛び出したのがゼノブレイドという作品なのだ。最初からPS3やXboxなどマルチ対応、もしくはPS3向けに作っていたのであれば、ここまで完成度にはならなかったと思う。何で勝負すべきなのか、焦点をしっかり絞ったからこそ実現出来たのだと思う。そういう点でまさしくWiiでなければ出せなかった作品だ。
グラフィックのハンデをどういう形ではねのけるのか、その答えの一つを出してくれた任天堂・モノリスソフトにただ、ただ感謝しつつ、今日もまた寝不足になりがらゼノブレイドをプレイするのだ。
- 出版社/メーカー: 任天堂
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