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Jの衝動書き日記

さらりーまんSEの日記でございます。

スキルマップの活用

 日経システムの連載記事にスキルマップという大変おもしろそうなものが紹介されていた。これは楽しそうだ。ぜひやりたい! ……だが一人客先に居る身ではなかなかできる代物ではなかった。

 いつかチームを組んだときにチームメンバーと一緒にやってみたい。そのために説明する目的で書いたのが本エントリーの趣旨である。活用できる日が早く来て欲しい。

利用の目的

 主に以下のような目的でスキルマップを活用する。

  • 他のメンバーが持つスキルの分布を意識しながら、個人としてどう成長していけばチームの役に立てそうかを分析して学んでいく
  • チームのリスク分析に使う
  • 自分はどの方向を目指せばチームに貢献していけるのかという新人向けの情報源にする

 

スキルとロール

 スキルは大きく分けると二種類に分類できる。ひとつは仕事を持続的に進めていくためのスキルで、もう一つはリスクを取って仕事の改善を進めていくスキルである。連載記事ではこれらを組みわわせて六つのロール(役割)を定義していた。

  • 戦士:仕事を確実に終わらせる
  • 武闘家:上手くいくやり方をデザインする
  • 僧侶:活動を持続できるように手を打つ
  • 魔法使い:より効率的に仕事を進める方法にチャレンジ
  • 盗賊:社内外の情報を集め分析し取り入れる
  • 旅芸人:過ごしやすいチーム環境を作る

 また、連載記事で例として上げられていたスキルマップは以下にある。このスキルマップはWebアプリケーションエンジニアを想定したものである。

 スキルマップの例

  

スキル分析

 まずは、上記のスキルマップを見て自分が持っていると思うレベルに◯をつけていく。持っているという判定はチームに貢献できるかという観点で考える。自己判定の後にチームメンバー間でお互いを判定しあうのもよい。

 だが、注意点が一つある。このスキルマップの利用目的はあくまでも分析のためだ。この結果をメンバーの評価として利用してはいけない。そうした途端スキルマップは正確なものではなくなってしまう。

 

 次にチームメンバーの結果を合成しチームとしてのスキルマップを作成する。そうすることでチームの性格が見えてくる(ちなみに試しにやってみたが戦士・武道家のスキル持ちがほとんどという脳筋チームと判明してしまった)。

 チームのスキルマップを作成するとチームから抜けては困るキーメンバーが明確になる。高レベルのスキルを持つがそれが一人しかいない場合、その人が抜けたらチームのスキルはガタ落ちになるからだ(例えば魔法使いL21の人が居てもその人が抜けたら脳筋チーム化するなど)。こうしてチームのリスク分析に活用していく。

 

 また、スキルマップは自分の今の型を意識し、次に習得するスキルを考える材料になる。例えば、まんべんなく持っているがLV1~7にとどまるから器用貧乏型だなとか、戦士・武道家が高いLVの職人気質型を目指そうとか。

 ただ、目指していくポイントとしてはチームに貢献できるスキルを身につけていくのがいい。それは何かはチームのスキルマップをみればわかる。チームのスキルマップを見て足りないスキルを身につけていけばチームに貢献できる機会は間違いなく増えていく。

 

スキルマップの作成方法

 2の例はあくまでも例なので自分のチームにあったスキルマップをまずは作成する必要がある。そのために協調ワークショップという手法でチームメンバー全員で作ろう。

 協調ワークショップは発散フェーズ・ 探索フェーズ・収束フェーズという形で進む。

 

発散フェーズ

 どんなスキルがあるか書き出していく。

 強粘着タイプの大きめの付箋紙・ハガキ大の無地用紙を用意して、チームにとって必要なスキルをチームメンバ全員で10分程度で書き出していく。紙一枚につき一枚のアイデアを書く。とりあえず何でもいいから書いていく。10分で一人10枚がノルマである。

 スキルは

  • すでにできているスキル
  • できていないけど必要なスキル
  • 他のメンバーが持っているスキル
  • 以前居た人が持っていたスキル

 などを考えてあげていくとよい

 

探索フェーズ

 スキルを分類していく。

 似ているものはより近くに、異なるものはより遠くになるように書いたスキルを並べていく。その際、意味がわからない記述のものは説明を求めて理解していく。

 注意点としては、安易に不要なものを削らないことだ。完全に内容が重複するスキルは削除して構わない。だが、一見似ているが説明を聞いて違っているのであれば記述を訂正する。

 

  似ているものが集まったら各カテゴリに名前を付ける。プログラミング・プロジェクトマネジメントなど端的な名前がよい。こうしてまとめていき、チームが必要とするスキルのカテゴリと具体的なスキルリストを完成させる。

 

 その後、スキルのリストを六つのロールにまとめる。上記の2のようなロールでもよい。軍曹・衛生兵などでも構わない。馴染みやすいロールにすること。

 仕事を行なう上で必須なスキルを入れたロールを三つ、仕事の効率を高めたり変化に対応できるようにするためのスキルを入れたロールを三つ用意する。

 

収束フェーズ

 チームとしての必要条件と十分条件を定義する。チームとしてどんなことができればいいかレベル感を考える。

 レベルは三つのレベル感で考える。

 一つ目は全員が習得して欲しいスキルである。必要条件となる。レベルはL1。

 二つ目はチームの中で活躍するには持っていて欲しいスキルである。十分条件となる。上・中・下ので考えレベルはL21・L14・L7。

 三つ目はなくても文句が言えない、持っていたら凄いスキルである。レベルはL28。

 なお、レベル感を考える時にあるスキルを線形に割ることは避けること。例えばプログラミングスキル上級・中級というのは避ける。その際には具体的に書くこと。何ができれば上級・最低限何ができれば中級など。

 

参考文献

日経システム連載記事 若手ITエンジニアに贈る 今必要な経験・スキル・考え方 著者:川口 恭伸

日経BP書店|雑誌バックナンバー - 日経SYSTEMS2015年12月号

日経BP書店|雑誌バックナンバー - 日経SYSTEMS2016年1月号

日経BP書店|雑誌バックナンバー - 日経SYSTEMS2016年2月号